私的 眉ツバ” 大和の艦橋基部についての考察
(学研・大和型戦艦2 を見て)

私の独断的な見解が各所に見られます。皆様、ご注意されますようお願い致します(^^)

1.【注 :タミヤ350キットとの比較をしている個所がありますが、大型キットの現時点ではこのキットが新しいので対象としました。
   なお、SC700新大和キットは新考証に基づいて製作されています 】

2.ここで述べる写真とキットの比較の方法は、実写真の上に同角度から撮った模型写真をレイヤー50%(半透明)で載せて比較しました。 

基部形状の解釈には4種類あると思います。
1型.横2段タイプ(ニチモ型)
2型.縦2段タイプ(タミヤ型)
3型.縦3段タイプ(学研1集型、坂上氏SC100、甦る戦艦大和の新SC100)
4型.上記2タイプの折線が2又に別れ3角形(学研2集P81図)


学研本のP7、P8、P34、P81 に注目して下さい。
(分かり難いので左の写真がそのイメージです)
右端は比較に使用した タミヤSC350キット



(1)分類2型、タミヤSC350と学研2集のP7とP8の写真で比較してみました。
キットは写真に比べて…
1.折線の位置が前過ぎる(側面窓の2個分くらい)
2.側面窓が窓の高さ分高い
3.第二戦闘艦橋の幅が窓1〜2枚狭い
4.司令塔は反対に3.の幅くらい広い
5.司令塔脇の吸気口の角度が寝てる

  以上の5項目について”感想”を申し上げます。
については、SC350タミヤキットの折線を2mm位後方に下げると丁度、張出した高射装置の甲板先端に結ばれます。
については、窓と防弾カバー(鎧戸)の位置と混同になったか?
について、左写真右のように、窓はタミヤキットも7個なのですが、縦横比が違います。実艦は珍しい横広型(爆風対策?で窓の高さが規格より低い)なのに正方形なので、この分狭くなったかも。
ちなみにイラストは”大和2”の作例より僅かに幅広になっています。
について、司令塔の幅は左写真の比較では広くなっているのが分かります。
について、これはこの位置の側面がキットより立っているのか、それともその後ろの高射装置脇の吸気口の形態をとっているのか?

(2)分類4型、P81図について(上の図はイメージで同じものではありません)
  P34の武蔵艦橋を見て下さい。写真の折線から前方に3角形の、周りより少し暗めの部分がありますネ。
このP81図は、左(前)側の吸気口の底辺から伸ばした線と3角形の中の継ぎ目が平行ではなく山形に見えると、解釈しています。
「 …いや、これは平行である」、とすれば分類2型という事になりますが…。

しかし、このP81図を見た後、P7の写真の折線に定規を当てると途中で折れているように見えてきました(^^;;
という事で私は、かって作例を見た事の無い分類4型でニチモ200は作ってみようと思います。
大和の艦橋基部は日模・オータキタイプから、タミヤタイプになり基部の解釈が全然変わってきて、司令塔サイドが”はかま”みたいに一枚板状態になりました。
しかし、これはニチモが発売される前に桜庭武二氏が製作された1/100大和は後のタミヤタイプで作られています。しかも、ずっと後になって話題になった平坦にカットされた船尾になっています。また、艦橋後部の兵員待機所も、ニチモ、タミヤのものより大型に作ってありますし、第1戦闘艦橋横の丸い張出しも大型のものが1個になっています。(MA誌S44年1月号に掲載)

ちなみに、あの河井登喜夫氏はこの写真を見て感動して活動を始められた、という事をごく最近知りました。

In-Yama9.jpg (34738 バイト)
上写真は艦橋基部を改造したものです。
左から、オータキ250は縦2段型、ニチモ300は縦3段型ですが山が高過ぎるので後日「大和300」ページにあるように再改造しました。
ニチモ400は縦3段型で緩い山型で学研作例を真似したものです。
なお、オータキ250やニチモ300の兵員待機所は下の考察を基に拡幅したものです。('00.2.26)

艦橋基部形状の結論
実際に作ってみると、「4型」の2つ折りのタイプでないと全ての条件を満たさない事がわかりました。
1つ折りだと給気口が寝てしまい、給気口上部の幅が狭くなります。2つ折りだと、前端90度、後端80度の壁面をピタッと組み立てる事が出来ました。  ( '00.3.11 )

兵員待機所と旗甲板の検証をしてみました。
●兵員待機所は、ニチモもタミヤも狭いので拡幅する必要があります。
上部戦闘艦橋横の半円形に張出している上空観測所も大きくする必要があることがわかりました。これらは、最近の資料は全て織り込み済みですので、何の発見もありませんでしたが確信は持つことができました。

強いて差異点を挙げれば、煙突前を回る通路は学研の作例や図面は半円形ですが、写真では中央で通路が前に繋がって、丁度三叉路に見えます。もっとも、 シコルスキ氏図面のように十字路とまでは確認できませんが…。
また、副砲脇の機銃の位置がタミヤ350やニチモキットはブルワーク1個分、前にある事がわかります。('00.1.18)

●旗甲板について、
奥行きについては、学研のP81の図12のように拡張された図があり、上述の写真比較でもタミヤ350の方が後方に出っ張っていて、問題無しと思っていましたが、それでも図12と比較すると1.5mm短いようです。
これを再考するキッカケは、SC200を作っていて、シコルスキ氏の「大和」の最終時と竣工時の旗甲板の比較をしたら、何と同じ面積に描かれており、拡張については無視されていたからです。  ( '00.3.4 )

以上の”個人的考察”を基にして「大和」を制作致します


大和200 C-1  艦艇ギャラリ