Title5.jpg (5488 バイト)

(模型資料の考察の続き)

 (3) 箱絵の色々

タミヤとニチモ

(上左写真)
「昔ばなし1」での ソリッドモデル”愛宕”は、「田宮模型」製品だったようです。
という事で 、”愛宕”の図面と星の左肩のところに地球儀にTMKの文字入りの田宮のマーク入りの「鐘馗」と「鈴谷」です。さて、この「鈴谷」キットは「航巡最上」に改装中で、”未完成1”に登場しています。

(上左写真)
「日模」ロゴは全く変わっていません。表示の大きさが小さくなっただけです。この大きなマーク時代の商品にお世話になりました。F86F(70),スピット(70)、P51(75)、96式艦戦(70)等。画家も変わりました。それにしてもどちらも”大物作家”です。

ハセガワ

ご存知「ハセガワ」の初期タイプのロゴマークが付いた72ジェット機シリーズのボックスアートです。機体のバックが白抜きと背景の描いてある二種類ありました。
下方
のRA-5は表は白抜きでサイドの絵には背景が描かれていますしRF101Cのサイドのライトニングの背景も同様に描かれています。
(A7とF86は新ロゴですがシリーズとして繋がるのであえて入れています)新ロゴと旧ロゴのものが入り混じっていた時期もありましたが、買う時は当然デカールが変質していない新ロゴの方を買ってました。
箱絵右上
はSC70のP51とSC90のF4ですが,72シリーズより2年前に発売されてます。
ハセガワがSC75〜70シリーズを出していたごく初期の製品です。零観のSC75も旧世代に属しますので、その零観とP51の写真を下に示します。まだ未完成!?
零観はEG・カウルを同社の零戦SC72から持ってきました。カウルは大きく拡大して胴体径に合わせています。また小さな支柱を付け足しています。P51はEGカバー上部が細いかな、ぐらいで外形はいいと思います。 

 (4) メートル法とプラモについての考察
 
初期のスケールになぜSC50,70,75、100という現在の常識で言えば不自然なスケールが多かったか?
それは、国際法である『メートル法』なるものが日本でも採用されたからです。ですから、箱の大きさ等から決めたような半端スケールとは全然違い「行政指導」から生まれたスケールで出発したのです。確かに国際法ですが、肝心の プラモ先進国はヤード・ポンドの伝統と商品アイテムの多さで動ずる事なく、日本の業者はやがて従わざるをえなくなった訳です。
ただし、タミヤの1/35ミニタリーシリーズや艦船の1/350は今や”国際スケール”までになっています。
余談ですが、ゴルフもS55年頃からメーターで距離を表しましたが5年ぐらいでヤードに戻ってしまいました。一方で永六輔さんは「尺貫が使えないと大工等の日本伝統は廃れる」と警告しています。それは単に長さ、面積だけの事ではなく鯨尺を使った工法の事も含んだ話です。 私にとって面積だけは165平方より50坪と言われた方がピンと来ます。

という事で… L.S とか

上左写真
は75シリーズの”LS”製「隼」「零戦」です。零戦の赤バックに関連付けて、「赤いマスタング」ギラー少佐機もついでに…、米本家ですら色を誤認しているくらいですから、零戦の餅色説なんてのは、ナーバスに思えてきませんか?なおこの赤ムスタングの塗装は”航空情報”のソリモ製作記事でも「本当かな?というニュアンスながら、赤色はオモチャぽくならないように黒を混ぜて…」という事で取り上げられていました。

中央写真
は”東京プラモ”の「紫電改」です。その下がボックスアートが非常に美しい”バンダイ”の「零戦」「P51」です。。「P51」は素晴らしいキットですが、今もこの状態です。可動風防のため自作しないと使えないのが悩みです。当時の商品は殆どがそうでした。ただバッテリやタンク等の部品は、あのモノグラムP51Bに転用してます。「零戦」は32型に改造しています。

上右写真
は日模のSC75のP51です。
マーク類はすべて手書きです。星のデカール貼れば完成なのに…。箱絵は図面やイラストで超有名な橋本画伯によるものです。イラストは濃厚なタッチですが、箱絵は水彩みたいな雰囲気ですネ。
同右写真は’72(S47)年頃のハセガワのカタログです。
あのSC32の「零戦」や「複葉機シリーズ」が新製品でモノカラー印刷で右側に見えます。
なにしろ、正式カタログと増補版のカタログのボリュームが同じという”開発ラッシュ”の時期だったと思われます。「零戦」よりチョット前に発売されたSC32の「FW190」や「F4B]「PS-1」が新製品と紹介されています。 

1.チョット変わったレベルのラベルの話(写真下左)
1番上のニューポールは、左肩のところに黒帯に黄色字でWARBIRDと入っているところ。
その下のP-11Cとトリプレーンは機体の説明が英語で書いてあるのとトリプレーンの題字の字体が変わっている。
下の写真のP39は箱の左下に普通は円形なのに、黒文字でRevell72SCALESERIESと書いてあるし、金属感のあるネームプレート(ゴールドシール)が入ってない。
そして、P26はRevellマークの下にAuthentic Kitsと入っているところです。(拡大)これは珍しいらしい。
あなたもレベルキットを確かめてみたら?「航フ」誌上でS41年9月からレべルカラーの宣伝で塗装図とミニ製作記事が始まりましたが、その頃にはAuthentic Kitsの文字が入っています。

2.ちょっと面白いL.Sの話(写真上右)
潟Gルエスは、Sunlight が本来の社名で、プラモデルキット製造前の木製ソリッド模型キットの研究所名時代の名称です。
そこからを基に、”LにSが絡まったデザイン”のマークを定めました。エルエス初期のプラモキットの説明書に”名残”として残っています。
ただ、大きなLの字に細字のSが絡まっていたため、ユーザーからいつしか”LS”と呼ばれ定着していたので、株式会社移行時に正式に「エルエス」としました。  エルエスの創業者は九州の出身です。     この話は、エルエス社にお勤めでしたマツ・モデルデザイン代表の方から伺った話です。
ところで、「零戦」各型を一杯作りましたが、「彗星」も改善キット再販分を入れて4機、フジミのを合わせて6機が同じ工程のところで中断しています。

★続く”昔ばなし6では、S44年当時の写真を
レベルSC32シリーズの微細なデテールはどこのメーカも真似できない、またプラモでなければ表現できない素晴らしいものでした。EG、コックピット内、脚室等々、画期的な出来事でした。 

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