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「日本プラモデル50年史」(文芸春秋社刊)が08年に出版されました。
第2章のP74〜77に、伊東直一氏が艦船模型の木製ソリッド製品からプラモデル製品に移行していく当時の実情を詳しく記述されています。
私は当時流通した艦船図面を「昔ばなし・その4」で小さく画像を載せていますが、このページでは視点を変えて少し大きめの図面で紹介して
1950年代後半当時 市販された資料の水準を推察して頂いて、今日に至る多くの艦船を愛する方々の情熱を込めた考証・研究の
成果も確認して頂けたら幸いです。

なお、掲載方法に何らかの不都合が生じた場合は取り下げますので前もってお断り致します。

私の世代では「大和」と言えば にしき屋の「1m大和」でした。
艦船図面は「にしき屋」からも購入しましたが、一方で私は「静岡理工社」というところからも図面を購入していました。
そして、「航空ファン」にも時々艦船模型制作記事が時折出ました。店頭で艦船模型の写真や小さな図面を見つけたら
歓び勇んで本を買ったものです。「航フ」に載っていた図面もご紹介致します。

「日本プラモデル50年史」誌の記載のように、にしき屋は「大和」というワードを商標登録していたらしい。
マルサン商店が「プラモデル」を登録していたので、「プラ模型」とか「プラホビー」とか呼称してたように、
他社は「大和」の艦名が使えず不便な思いをしたようである。

1.にしき屋、静岡理工社の図面
  艦船図面を販売していたのは、にしき屋、静岡理工社、艦船模型研究会などがありました。
       (下図は青図ですが、勝手ながら反転した画像で表しています。)

           にしき屋 :1/308「愛宕」                      静岡理工社 1/300 「榛名」
にしき屋のスケールが中途半端なのは、青図の焼く過程での縮みを考慮したのであろうか?
静岡理工社「榛名」の作図者は、「日本プラモデル50年史」の中にも出てくる四ノ宮氏です。(拡大図面はここから

2.航空ファンの制作記事の図面
  下記の「大和」「大鳳」の図面は「航空ファン」誌の艦船模型制作記事として紹介されたものです。


     (出典:航空ファン・文林堂)       もっと詳しい図面はここをクリック
作図 「大和」:東京船舶スケールモデル研究会、  「大鳳」:艦船模型研究会、青木氏   

「大和」図面は、船尾の艦載機搬入口はエレベーター装備と解釈されていて、図は最上甲板と
面一の状態で描かれています。今も流通している「ハセガワ大和1/450」も同じ解釈です。
断面図の最後尾を見ると、21世紀になって提唱されだした、スターンカット状にに作画されている
のが面白い。
「大鳳」図面は、川崎重工制作の模型を参考にして描かれたようです。
またスケールは1/400を前提とした作図になっています。

当時は、艦船模型研究会の図面が全て1/400で統一されて、
「にしき屋」「静岡理工社」や「深雪会」等は1/300スケールで市販されていた。
 '68年 「艦艇模型保存会」が1/200スケールで出すと「深雪会」も合わせるように1/200を主なスケールにした。

青図用紙の大きさに制限があったのか、モデラーの要求の変化なのか?   '10.01.07


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