工作のHint 4

4艦艇色(The coating of the warship)
 
 ●はじめに∵ 艦艇色についての考察は、Web ”ワタ艦”     始め多くの方々が発表されていますのでそちらをご覧下さい。
 
   H-Kongo.jpg (27815 バイト)

艦艇は小ブロックごとに筆塗りし、それを組み立てて中ブロックとしてそこでまた筆塗りしますので、製作時期により色に微妙に差異があります。
また意図しない褪色も見られます。意識したところは煙突防熱板、窓の下側、錨の下側、それに高角砲や測距儀等の”小物”とキャンバスの皺はウエザリングを掛けています。

変わったテクはありませんが、基本的な塗り方は、
1.船体の舷側の鋼板の重なりはテープマスキングしてサフェーサーをコンプレッサで吹付けて表現します。
2.筆で縦に荒っぽくつや消し具合も変えて何種類かのグレーを筆で塗ります。
3.その上に基本のグレーを軽く吹付けています。
そうしますと全面同じグレーに見えても”光の当り具合”で写真左端のブルワーク壁面のような微妙な差異が出てきます。”絵画的表現”かもしれません。
4.艦底赤はテープでマスキングしてキチンと吹き付けます。でないとだらしなくなるみたいで…
5.甲板はタンを一旦吹き付けて、橙色を軽く吹き付けたりしています。エッジは烏口でグレーを引きます。
6.リノリュームは、最初こげ茶系で塗り、所々を黄土色で塗ったりしていますが、落ち付きが無い時はその中間色を軽く吹付けます。
    この色は多くの異なった解説があります。それだけ褪色があるのでしょうか?
   それより、原材料の混合比率がマチマチだったからではないでしょうか?…というところで私は結構”自由度のある色”と解釈しています。

H-Yugumo.jpg (21006 バイト)

写真説明 : 上段が筆塗り、下段はその上に吹付けをしたもの。
光線の当り具合で下地が浮き出て見えて変化がある。なお、舷側鋼板はマスキングテープを張り表現した。

大和の黒甲板です。
H-YamatoDeck.jpg (32917 バイト)
私は”研ぎ出し”という方法をよく用います。
甲板は、普通の甲板色を吹きつけ、その後オレンジ系の数種類の色で板ごとに色に変化を与えていくやり方が一般的ですが、
大和の場合黒甲板に仕上げるので更に黒を吹き付けます。
その後使い古したサンドペーパーを掛けて下地を浮かび上がらせます。
ペーパーが届かないところは彫刻刀の平らなやつで表面をしごきます。

複葉機の木製プロペラの塗装にも使います。
プロペラの表面に真横から見て水平に筋状に数種類のウッド色で線を引きます。
そして正面から見ると大体のパターンが分かりますので、そしたら正面から層別に色を替えて線状に厚塗りで描きます。
完全に乾いたら最初は石鹸をつけて軽〜くペーパーを掛けます。色の皮膜表面はペーパーにくっ付く恐れがあるので慎重に…。
気に入らない処はまた色を塗り補正してペーパー掛けして表面を慣らします。
その後クリアーを塗るとかコンパウンドで磨きます。仕上げに金属コーティングされた部分を塗って完成です。
これはいかにも積層の木製プロペラだな〜とう雰囲気ですが、本物は、案外簡単な色合いのプロペラもあり”ガッカリ”することもあります。

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