工 作Hint 8

キャノピーの絞り出しについて
キャノピーを作る材料として透明度のあるのは透明プラ板で、各種の厚みも揃っていて便利です。
絞り出すには、熱供給源や、バキューム装置などがあったほうが巧くいきます。
私は、”手軽な絞り出し”を採り、透明エンビ板を使っています。また、下記の小スケールの場合は、
小型電気器具や、チューブ物の包装い使われているプレス加工されている薄いエンビ板を活用しています。

8−1. 1/72 スケール飛行機のキャノピー
このクラスの中にはキャノピーの厚みが分厚くレンズ状とか、操縦席の中の様子が見えないキットがあります。
または、フレーム枠が大袈裟にモールドされているのもあります。
このようなケースでは、キャノピー自作をお勧め致します。
「木型を正確に作る」という感覚が、実行のネックになっていますが、木型はキットのキャノピーを使用することで気楽に自作出来ます。


8−1, SC 72 の作り方例
1.箱は両端は開けておいたほうがお湯丸を取り出しやすいです。
2.暫定的にはこの形に合わせますが、冷えるかも知れないので再び温めます。
3.形が出来上がってるお湯丸を箱に入れたらすぐにキットのキャノピーをお湯丸に押し当てます。斜めになっても構いません。
  お湯丸が冷えたら、キャノピはお湯丸を開いて取り出します。
4.キャノピーを取り出した穴にポリパテを充填します。真ん中に取っ手となる板を差し込みます。
5.取り出した複製キャノピーをヤスリ等で気に入るように整形します。



          キットをコピーした木型の例です。昔は全て右例のように自作していました。

   施工要領です。
1、キャノピー型の表面に、目印となる線を引いておきます。
2.台を万力に固定します。 塩ビ板を所定の長さに大まかに切って準備します。
3.トースター(熱源)を温めます。塩ビ板の両端をペンチ類で挟み、トースターにかざします。
4.塩ビ板がグニャリとなったら、一気に型に押し当て、底辺を内側に絞り込みます。
5.一発では、先端か後端の絞りが甘くなることがあります。その時は前後2枚に分けて絞ります。
6、開放する窓があれば、別の塩ビ板で絞ります。
7、絞り出した塩ビ板を型に被せて、ガイドラインに沿ってカッターで筋を引いていきます。
  そのままカッターで切ってもいいのですが、私はエッチングハサミで切ります。


1/72ハセガワ「97式艦攻」を例にしてご説明しています。
本キットのキャノピーは厚く、完成後は操縦席内部が判別できない…と言われています。
また、オープンにして窓を重ねると残念な外観になる。これは1/72 だと共通の悩みですね。


  【上写真】   左は 1/72Airfix「 ドーントレス」機銃員前の窓に潜った丸い窓が見えます。薄い塩ビ板ならではの表現です。
           右は 1/48 ニチモ「97式艦攻」です。エンビ板キャノピーは薄くできているので、開放窓を重ねていても違和感はないです。 (91.11.01 New)



8−2.  SC350 超小型キャノピーの作り方

キャノピーを絞り出す凸形を作りますが、これは予めエンビ板の厚み分を差し引いて、一回り小さく作ります。
最初は透明プラ板でトライしましたが、凹凸の激しい木型では成形する時に裂けてしまいました。そこで0.5mmのエンビ板を使用することにして、木型をもう一回り小さくしました。
左写真のとおり、戦闘機用のキャノピーは全長が5mm、幅が2mm程度ですが、これはご飯粒を縦に分割した大きさになります。
私の場合はSC350とSC200の2種類作るつもりで汎用できるように写真のような木型を作り、真ん中をボルト固定するようにしています。
次に固定台は中写真のように、机の裏面にバイスで木片を止め、ボルトで固定しています。
工作法としては、オーブントースターを床に横倒しにして、ガラス扉を開放状態(大筆の柄を取っ手に差込んだ)で固定しました。
タイマーOnにして、ラジオペンチで挟んだエンビ板をトースターの上で熱して、木型の上に持って行き、片方をプライヤーで挟んで 一気に押し付けます。
その時木型の下の方で挟みつけるように絞り込みます。かなり絞っても破れることはありません。

工作のツボ : 木型の表面にハンドクリームを塗っておくと滑りがいいですヨ。 
引き上げたエンビ板の不要部分をカッターとハサミで切り取ります。次にもう一度木型の上にエンビ板を乗せて、その状態で正確なラインをカッターで印をつけて木型より外し、カッターでカットしていきます。
その後、ヤスリを使ってキャノピー下面を成形します。
本体への取り付けはボンドを使用しています。コツはボンドをつけて5分以上放置しておいたのちに押し付けて取り付けます。
塗装が難しいですネ。筆で塗るのは簡単ですが、透けて見えるので中々色が付いたように見えないですよネ。室内ならいいのですが太陽光の下だと透けて見えます。
写真左 : タイヤは電線の外皮を利用します。大きなサイズには芯に伸ばしランナーを差し込んで調整します。プロペラは1/350用ですが左は1/200用です。
       「流星」の胴体にどっかで見た「必中」の字を書き入れました。ただ知らない人は「心中」と読み、おどろおどろしい飛行機になりますネ。


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